エチュード分析オタクな私が紹介♪フルート教則本3+1選
今回は「フルート教則本」のご紹介です♪
いつも通り(笑)個人的なイメージ付解説ですのでご了承くださいませm(__)m
アルテ フルート教則本
一切の妥協を許さない鬼教官のスパルタ教本
最も有名なフルート教本で多くの教室でも使われていると思います。
1巻(初級)、2巻(中級)、3巻(上級)となっています。
とにかく課題の指定テンポが鬼で、書いてあることも終始厳しい
課題の前にこわーい顔したスパルタ鬼教官が腕組んで待ち構えていて
「難しくてできません・・・(´;ω;`)ウゥゥ」とか言おうものなら
目力強めにギロって睨まれ
「泣き言いってる暇があるなら練習しろ!」「ちゃんとできるまで次へ進むな!」
とビシバシやられる・・・
そんな感じの教本です(笑)
(注:私の勝手なイメージです)
教本の課題曲のほとんどがアルテ先生が作ったものなので、何のために何を学ぶために作られ、どういう力をつけるべきなのかが明確になっています。目的がすんごくわかりやすいエチュード集といった感じ。
とにかく滑らかな指運びにこだわり、多様な替え指を推奨しているのも特徴
前後の音によってやトリル時の終結音など替え指パターンは多種多様で、2巻の「替え指表」は圧巻です。
通常運指に慣れてる状態なので、最初は替え指を覚えるだけで大変で、替え指を使う方が難しく感じて半泣きになります(-_-;)
でも「替え指表」以降の課題全てに「この部分はこの替え指」と指定してあり、その通りにやっているうちに前後の音も含めた替え指パターンというのが掴めてきます。
掴めると「なるほど。こっちの方が楽だな」と納得できるのですが、それまでは替え指指定をスルーしたくなる気持ちとの戦いになります(笑)
まぁ、スパルタ鬼教官が睨んでるからスルーできないんですけどね(笑)
一切の妥協を許さないスパルタぶりに挫けそうになりますが、指定のテンポでできるまで何度も練習し、課題の一つ一つを深堀りして丁寧に取り組むと着実に力がつく教本です。
トレヴァー・ワイ フルート教本
最小の時間で最大の成果を得るためのストイックな理論書
アルテよりは新しい教本ですが、アルテと並ぶフルート教本として知名度が高いと思います。
1.音
2.テクニック
3.アーティキュレーション
4.音程とヴィブラート
5.呼吸法と音階練習
6.高度な練習課題
難易度別ではなくフルートの基礎に必要な項目ごとに分かれた6巻から成っています。
第一印象は文字の多さにめんくらいます。音符より文字の方が多い。
学ぶべき要素(パーツ)を含んだ課題曲を通して学ぶ教本が多い中、これはその要素(パーツ)のみを提示し、最小の時間で最大の成果を得ることにこだわっていて、そのために「何を練習するのか」「どう練習すればいいのか」「なぜそうするのか」を細かく解説しています。フルートの理論書といった感じ。
圧が強めな(笑)熱血教師の
「これはこうだからこうして!」「効率よく上達するにはこうするべき!」
という熱意に引っ張られて
「はい!先生!」と思わず返事しちゃう
そんな感じの教本です(笑)
(注:私の勝手なイメージです)
効率を重視することに徹底しているので「できないこと」「難しいこと」だけを練習するよう促され、「できていること」「簡単なこと」を練習するのはただの自己満足で時間の無駄だとピシャリ。
より難しくなるように替え指を使わないようにとしているあたりは、アルテとは違うアプローチのストイックさがあります。
アプローチの仕方が少々個性的なのも特徴で、動かしにくい右小指克服のためピアノやタンスの角で広げるよう指示があったり、キーではなくカップそのものを抑える練習法や息の向きを調節して半音下げて吹く練習曲やリラックス法、即興演奏の項目なんてのもあってとにかく目からウロコなアプローチが多いです。
書いてあることが少々難しいので特に初心者さんには理解しにくい部分もありますが、苦手の発見や克服に役立つ基礎練習、日課練習の指南書なので、練習時間が少ない中で効率良く上達したい人におすすめです。
フルート教本
まずは低音から攻略。耳なじみのある曲を通してレベルUP
アルテとトレヴァー・ワイは名前からもわかる通り海外の教本ですが、こちらは日本のフルート教本です。
日本製なので、教材も日本の曲が多く(少々古いので、小学生は知らないですが💦)
耳なじみのある曲を使って基礎を学んでいくスタイルの教本です。
導入編(緑)、1巻(黄色)、2巻(青色)と分かれているのですが、全体的に易しめでどれも初級用という印象です。
穏やかなおじいちゃん先生が
「これができたら次はこれをやってみよう」(にこっ)
と無理のない課題を提示してくれる。
ゆったり穏やかな時間が流れるレッスン・・・
そんな感じの教本です
(注:私の勝手なイメージです)
ステップが細かく、やるべき目標を1つか2つに絞ってくれているので無理なく課題を進められます。
ただ、スラーについて学ぶのがだいぶ後(2冊目の真ん中くらい)になりますので、
そこまで全部タンギングして吹くことに慣れてしまっているため、スラーで吹く難易度が上がってしまうようです・・・
とはいえ、
導入編は初心者が出しやすい音域である低音の課題が多く、譜読みの仕方や曲の練習の仕方にも触れていて、
譜読みが苦手な人やこれからフルートを始める人にとって最もとっつきやすい教本だと思います。
初心者のためのフルート教室
全てを網羅したコスパ最高の教則本
私がフルートを始めた頃に自分のお小遣いで買った想い出の教則本。
残念ながら廃版になってしまったのですが、個人的には1番いい教則本だと思っています。
とにかくボリュームがすごい。この一冊で初心者のための基礎課題、ソロ曲、エチュード、変奏曲、アンサンブル、日課練習、スケールなどなど・・・盛りだくさんの内容。お得感が半端ない。
基礎課題では、音符、リズム、アーティキュレーション、拍子、調などを満遍なく扱っていて、こちらも耳なじみのある曲を通してそれぞれを学べるようになっています。
大衆向けでとっつきやすいのですが、シ♭の運指を最初からブリディアルキーかアイスレバーを使うよう指定するこだわりもちらっと見せたりします。
※シ♭の運指は、
①シの運指+右人差し指
②ブリディアルキーを使う
③アイスレバーを使う
の三種類あり、それぞれにメリット・デメリットがあります。
ちなみに
『アルテ』は最初は①の運指、1巻の最後から②の運指(ここから替え指地獄が始まる・・・)
『トレヴァー・ワイ』は絶対①の運指(簡単になるから①以外は禁止)
『フルート教本』はたぶん①の運指(それほどこだわりはない)
シ♭の運指1つで教本によって取り扱い方が変わるのは興味深いです。
ピアノ伴奏譜付のソロ曲や本格的なフルート四重奏曲も載っていて、この一冊で色々楽しめちゃう教本なのです。
どうして廃版になってしまったんだろう・・・(´;ω;`)ウゥゥ
余談ですが・・・
この教本に載っているフルート四重奏の作曲者は大学時代の恩師でして、
ご本人にお尋ねしたところ「○○(教本の著者:フルート奏者)に頼まれちゃってさ~」とおっしゃっていました。
吹奏楽曲を多く作られている大作曲家で指揮者でもある先生なのですが、フルートの曲はこの1曲だけなんじゃないかと思います。そういう意味でも私にとっては大切な教本です✨
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