「ふえ日和」との1分1秒。――あの日の決断と見つけた答え
2025年3月1日(土)。
フルートオーケストラ「ふえ日和」のファイナルコンサートが無事に終演しました。
いつもなら、本番は
「進行は大丈夫かな」
「あそこの入り、上手くいくかな」
と、頭の中がいっぱいになったり、
主催やコンミスの重責でムダに力が入ったり、
失敗して、後で1人で落ち込むのが、当たり前だったのですが…
なぜか、この日は不思議なくらい、心が静かで、クリア。
もちろん緊張はしていたけど、なぜだか「大丈夫」って思えた。
ただただ、ステージに立ってることが嬉しくて。
みんなと一緒に演奏してるのが楽しくて。
長いフルート人生の中で、こんなにも純粋に、ステージを、音楽を、楽しめたのは、初めてだったかもしれません。
...でも、ここに至るまでの道のりは、過去2回のコンサートとは比べ物にならないくらい壮絶なものでした。
心と体と、魂そのものを削り、ようやく前に進むようなギリギリの日々。
本来ならコンサートが終わった直後に、すぐにブログを書くべきでしたが、 どうしても書けませんでした。
心の中が色んな感情でぐちゃぐちゃで何も言葉が出てこなくて。
無理やりきれいな言葉でまとめるのも違う気がして。
それは、全てを注ぎ込み全力で走り抜けたことへのあまりにも大きな**「反動」**だったのだと、今ならわかります。
長い長い時間が経ち、ようやく心の整理がついた今。
1人で抱えていた様々な感情も
私の全てだった「ふえ日和」を自分の手で終わらせた理由も
最後に見つけた答えも
何もかも綴ってみようと思います。
私と「ふえ日和」が前に進むために。
(そんなわけで決めて個人的な内容ですのでご了承くださいませm(_ _)m)
「今回で終わりにする」
私自身も思いもよらなかったこの決断。
きっかけは、第2回コンサートを終えた直後でした。 交響曲の編曲と演奏に挑み、大好評を得たその裏側で、気が付かないうちに静かに、でも確実に私の中で何かが燃え尽きようとしていました。
本来なら、次はどんなコンサートにしよう?と不安と期待でドキドキワクワクしているはずの時期なのに、ちっともエンジンがかからない。
え、なんで?
焦りばかりが募り、何も手につかないまま、時間だけが過ぎていく…
どうしようもなくなって悩み抜いた末の決断が「次で終わりにする」ことでした。
終わりが見えないからエンジンがかからないのなら、自分でゴールを決めてしまえばいい。
あと一回だけなら、最後の力を振り絞って走れるかもしれない。
それは決して前向きな決断ではなかったけれど、前に進むためにはそうするしかありませんでした。
(…と、その時はかなり追い詰められてそう思っちゃったんですよねぇ…)
そうやってコンサートまで全力疾走する準備を整えたものの...
自動的にエネルギーが沸いてくるでもなく...
事務作業も編曲作業も合奏指導もやらないといけないことは山積みなのに、どうにも身が入らない。
練習日が近づくと、ズドーンと 体が重くなる。
行きたくないな...
せっかく集まってくれたメンバーがいるのに。
最後なんだから、楽しまなきゃ損なのに。
頭では分かっているのに、心と体が言うことを聞かない。
練習では、必死にスイッチ入れて普段通り振舞っていましたが、帰宅した途端にプツンと糸が切れて、その後数日は、泥のように動けない……。
そんなギリギリの日々でした。
(みんなの前では「普通」を装ってたつもりでしたが...今思うとどこかおかしかったかもしれません。全力で謝ります!みなさま本とにごめんなさいm(__)m)
でも、これだけは誤解しないで欲しいんです。
メンバーのみんなが嫌になったとか、コンサートをしたくなかったとか、そういうことではなくて。
ただ、3年間「一期一会のメンバーで唯一無二の最高の音楽を!」って、自分のキャパの120%を注ぎ込み続けちゃったから。
使えるエネルギーはとっくの昔に枯渇していて、最後はもう、魂そのものを削って、 無理やり自分を動かすしかなかったんだと思います。
ふえ日和を立ち上げて、編曲に携わるようになった私には「オリジナル曲を作り、コンサートで演奏する」 という密かな夢がありました。
当初の予定外に「最後のコンサート」になってしまったので、夢を叶えるためには、急遽作るしかない。
よし!と意気込んだものの....
そうそう曲なんて書けるものでもない。おまけに瀕死のメンタル。
やっぱ無理...
と何度も諦めようとしましたが、どうしても諦めきれずに何とか本番2か月前に完成させました。
メンバーのみんなには、私のわがままに付き合わせて本とに申し訳なかったけど、色んな想いが詰まったふえ日和のためのオリジナル曲を、一緒に演奏してくれたことに心から感謝しています。
そんなふうに、文字通り身を削ってギリギリの状態で迎えた本番。
ステージの上ではすごく楽しかったにもかかわらず、 私の心に残ったのは、達成感や安堵感といった清々しい感情ではなく、 今まで経験したことのない感覚でした。
全てに色がない。目に映る景色にも。心にも。
「素晴らしいコンサートでした!」 「楽しかったです!」
たくさんの方から温かい言葉を頂いたのに、まるでモノクロの画面越しに誰か別の人の話を聞いているようで。
ただ心の中を素通りしていくだけ。
ちっとも自分の中に入ってこない。
「何のために、ここまで自分を追い込んで、瀕死のメンタルで走ったんだろう?」
「ただの独りよがりだったんじゃないか?」
「成し遂げたことに本当に意味はあったんだろうか?」
そんな問いかけが頭の中をグルグル回るだけで、答えが見つからない。
「終わりであること」を惜しむ声にも「復活」を望む声にも ありがたいと思いつつも正面から向き合うことができない。
気持ちの整理ができないまま、日々を過ごしていました。
そうして、頭の片隅に引っ掛かりながらも、時間の経過と共に心の中が少し落ち着いてくると、 渦中にいたら見えなかったことが、ようやく少し見えるようになりました。
あんなに苦しかったのは、 あんなにメンタルを削ったのは、 それだけ「ふえ日和」に、真剣だったから。文字通り「私の全て」だったから。
大人になってから、魂を削るほど、一つのことにのめり込めたこと。
「誰もやらなかったことをしたい」「新しい景色を見たい」と、自分の限界を超えてまで熱くなれたこと。
そんな経験ができたこと自体が、他の何にも代えられない特別で幸せなことだったんだと思います。
そして何より。 そんな私の無謀な「熱」に巻き込まれ、文句も言わずに(いや、言いたかったかもしれないけど 笑)、最後まで一緒に走ってくれた仲間たちがいてくれたこと。
「一生のうちで、これほど何かに自分の全てを注ぎ込み、その想いに賛同してくれる人たちと出会えたこと」
それこそが、このフルートオーケストラを作った最大の意味だったんじゃないかと思います。
歓びや苦しみだけではなく、1分1秒、常に心が揺さぶられる存在。
それが、「ふえ日和」でした。
「想い」が強過ぎて
心が揺さぶられて
魂削られて
だから、自分の手で終わらざるを得なかったのかも。
まるで大恋愛やん(笑)
正直、血へどが出るほどしんどかったけど(笑)
「楽しかった」と言ってくれたメンバーや快くお手伝いしてくれたスタッフ、「良いコンサートだった」と笑顔だったお客さまのおかげで
だいぶ遅くなっちゃったけど、今なら、ちゃんと言えます。心から。
「やって良かった。みんなと出会えて、一緒に音楽できてほんとに良かった!」
3年間、本当に、本当にありがとうございました!
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フルートオーケストラ「ふえ日和」第1~3回コンサート
参加プレイヤー 92名(延べ)
お手伝いスタッフ 30名(延べ)
観客動員数 約450名
「ふえ日和」に関わってくれたみなさまには言葉では言いつくせないほど、心より感謝申し上げます。
フルートオーケストラふえ日和
主宰(作編曲・合奏指導・コンミス)
角谷真季
エピローグ:これからのこと
ちなみに、これからの「ふえ日和」
今までは、写真を見返すのもどこか辛くて、考えないようにしていたのですが、
ブログに書けるくらいに気持ちが落ち着いて、ようやく向き合えるようになりました。
復活するのか、このまま思い出にするのか…
まだ全くの白紙ですが、
「いいじゃん、やっちゃえ!」と好奇心旺盛なワタシAと
「しんどいしやめた方かいいよ…」と慎重派のワタシBが
絶賛脳内会議するくらいまでは、先に進みました。
なんせ大恋愛ですから(笑)
元カレ(ふえ日和)に会うかどうか決めるのは、まだまだ時間がかかると思います。
しばしお待ちを🙇♀️